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リーダーシップ理論|PM・SL・6スタイルを比較

更新: 長谷川 理沙
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リーダーシップ理論|PM・SL・6スタイルを比較

リーダーシップ理論は、特性論から行動論、条件適合論、そして変革型へと約100年かけて進化してきた理論群であり、PM理論、SL理論、ゴールマンの6スタイルはその流れの異なる地点に立っています。

リーダーシップ理論は、特性論から行動論、条件適合論、そして変革型へと約100年かけて進化してきた理論群であり、PM理論、SL理論、ゴールマンの6スタイルはその流れの異なる地点に立っています。
PM理論は三隅二不二が1966年に提唱した目標達成と集団維持の2軸でリーダー自身の行動を見つめる理論で、SL理論は部下の発達度に応じて関わり方を変える考え方、6スタイルはEQを土台に場面と感情状況で切り替える発想です。
新任リーダーが一つの理想像を追って空回りするのは珍しくありませんが、大切なのは「どれが正しいか」ではなく「何に注目するか」を整理することだとわかるはずです。
唯一絶対の優れたリーダー像は存在しないからこそ、三つの理論を競合ではなく補完として捉え、状況に合わせて使い分けてみてください。

結論:3理論はどう違う?目的別の早見表

PM理論、SL理論、ゴールマンの6スタイルは、どれが上位という話ではなく、何に注目する理論かが違います。
自分の行動を点検したいのか、部下ごとに関わり方を変えたいのか、その場の空気に応じて切り替えたいのかで、選ぶべき入口は変わってきます。
リーダーシップ本を何冊も読んで理論名だけ増えたときほど、まず1枚の表で地図を持つと整理しやすいでしょう。

目的別おすすめ早見表:あなたが知りたいのはどれか

「自分の癖を知りたいならPM理論」「部下ごとに接し方を変えたいならSL理論」「その日の局面で柔軟に動きたいなら6スタイル」が、いちばん早い答えです。
管理職研修で「あなたはPM型のどれ?」と問われて戸惑った経験がある人もいるはずですが、そこで迷うのは当然で、注目点が理論ごとにずれているからです。
PM理論はリーダー自身、SL理論は相手である部下、6スタイルは場面を見ます。
だからこそ対立ではなく併用でき、まずは自分が何を判断したいのかを決めると、読み方がぶれません。

3理論の一覧比較表

理論名提唱者注目する変数使う場面向いている人
PM理論三隅二不二リーダー自身の行動傾向(目標達成P×集団維持M)自己点検、リーダーとしての癖の把握まず自分の動き方を見直したい人
SL理論ハーシー&ブランチャード部下の成熟度(能力×意欲)D1〜D4部下育成、1on1の設計、関わり方の調整相手に合わせて指導法を変えたい人
6スタイルゴールマン場面と感情状況局面ごとの使い分け、チーム運営その時々でリーダーシップを切り替えたい人

この3つを並べると、理論名より先に「何を見るのか」が違うと分かります。
PM理論は1966年に三隅二不二が提唱し、リーダー行動を目標達成機能Pと集団維持機能Mで捉えるので、自己診断の軸がはっきりしています。
SL理論はハーシーとブランチャードの状況対応型で、部下の発達度に応じてS1教示型からS4委任型まで変える発想です。
ゴールマンの6スタイルはEQを土台に、ビジョン型・コーチ型・関係重視型・民主型・ペースセッター型・強制型を場面で切り替えるため、同じ上司でも局面ごとに振る舞いを変えられます。

前提:唯一絶対のリーダーシップは存在しない

リーダーシップ論は約100年かけて、特性論、行動論、条件適合論、変革型やサーバント、EQ型へと広がってきましたが、そこに通底しているのは「一つの正解では足りない」という発想です。
優れたリーダーは生まれつきの資質だけで決まらず、行動も、相手の成熟度も、場面も見る必要がある。
だから理論を一つに絞るより、状況に応じて参照先を切り替えるほうが、実際の現場では役に立ちます。
自分の癖はPM理論で、部下との距離感はSL理論で、その日の局面は6スタイルで見ていく、そんな使い分けをしましょう。

リーダーシップ理論100年の流れ:特性論から変革型まで

リーダーシップ理論は、この100年で「誰が向いているか」から「何をするか」、さらに「どんな状況でどう変えるか」へと問いを移してきました。
特性論、行動論、条件適合論、変革型という4段階をたどると、理論が増えた理由だけでなく、なぜ古い説明だけでは足りなくなったのかも見えてきます。
心理学を学び始めた頃、理論名を年表に並べてみて初めて、この流れが腑に落ちました。
歴史の地図を持つと、個別理論の暗記がぐっと楽になります。

特性論:リーダーは生まれつきか

特性論は1940年代以前の発想で、優れたリーダーには共通の資質があるはずだと考えました。
背が高い、話し方がうまい、といった表面的な印象ではなく、判断力や自信のような内面的特性まで探したのが出発点です。
ただ、万能の資質は見つからず、状況を超えて誰にでも当てはまる説明には届きませんでした。
ここで行き詰まったことが、次の理論を生みます。
歴史を知らずに特性論だけを覚えると混乱しやすいのは、この限界が前提にあるからです。

行動論:行動なら学べる

1940〜1960年代の行動論は、「資質ではなく行動なら訓練で身につく」と発想を切り替えました。
リーダーシップを先天的な才能ではなく、学習可能な能力として捉え直した点が画期でした。
日本発のPM理論はこの流れの代表で、目標達成のPと集団維持のMという行動面を軸に、リーダーのふるまいを整理します。
だからこそ、自己点検や育成の場面で使いやすいのです。
PM理論は、行動を観察すれば伸ばせるという行動論の考え方を最も具体的に示しています。

理論時期中心の問い代表的な見方
特性論1940年代以前どんな人が向いているか生まれつきの資質を見る
行動論1940〜1960年代何をするか行動は学べると考える
条件適合論1960年代〜どの状況でどうするか状況と部下で変える
変革型・サーバント1980年代〜どう動機づけ、支えるかビジョンと支援を重視する

条件適合論と変革型:状況とビジョンへ

1960年代以降の条件適合論は、「最適なやり方は状況や部下で変わる」と考えました。
唯一の正解を捨てたところに、この理論の強さがあります。
ハーシーとブランチャードのSL理論は、部下の発達度に応じて教示型、説得型、参加型、委任型を使い分けるので、育成の現場と相性がよい理論です。
さらに1980年代以降は、ビジョンで人を動機づける変革型や、支援に徹するサーバント・リーダーシップが登場しました。
ゴールマンの6スタイルも、EQを土台に場面と感情へ対応する流れに置けます。

この4段階を押さえると、後の章でPM理論=行動論、SL理論=条件適合論、6スタイル=EQ/状況対応型という位置づけが自然に整理されます。
暗記する順番ではなく、どの理論がどの問いへの答えなのかを見れば、理解は一気につながるはずです。

PM理論:リーダー自身の行動を4類型で診断する

PM理論は、1966年に三隅二不二が提唱した日本発の行動論で、リーダーの行動をP機能とM機能の2軸で捉えます。
P機能はPerformance、つまり目標達成のために仕事を前へ進める力で、M機能はMaintenance、つまり集団を保ち関係を整える力です。
成果を出す推進力と、チームをまとめる維持力を分けて見ることで、リーダーの強みと弱みが見えやすくなるのです。

P機能とM機能:2つの軸でリーダーを見る

PM理論の核は、リーダーを「成果を出す人」か「人間関係がうまい人」かのどちらかに単純化しない点にあります。
P機能だけを見れば数字や納期に強いかがわかり、M機能だけを見れば場の空気や納得感を整える力が見えてきます。
現場で起きる摩擦は、たいていこの2つのどちらかが片寄ったときに表面化するため、両軸で点検する意味があるのです。

たとえば成果ばかり追いかけて指示を強めた結果、会議は速く終わっても発言が減り、メンバーが萎縮していくリーダーは珍しくありません。
最初はP機能の高さが頼もしさに見えても、M機能が不足すると、協力の質や自発性が落ちていきます。
逆に雰囲気づくりだけが上手でも、仕事の達成条件が曖昧ならチームは前に進みません。
ここがポイントで、PM理論は「どちらが良いか」ではなく「両方をどう確保するか」を問う枠組みだと言えます。

PM・Pm・pM・pmの4類型と理想型

PとMは、それぞれを重視していれば大文字、軽視していれば小文字で表します。
そのためPM、Pm、pM、pmの4類型に分けられます。
PM型はPもMも高く、成果と団結の両方を引き上げやすい理想型です。
Pm型は成果重視だが関係維持が弱く、pM型は人当たりはよいが推進力が弱い。
pm型は両方とも弱く、組織を前に進める力もまとめる力も不足しがちです。

生産性と満足度はPM>Pm>pM>pmの順で高いと整理されます。
これは、目標達成だけでも集団維持だけでも、長く機能する組織には足りないからです。
Pが強いだけだと短期の成果は出ても摩擦がたまり、Mが強いだけだと関係は穏やかでも実行が鈍ります。
PM型が高く評価されるのは、仕事を進める圧力と、続けるための納得感を同時に確保できるからでしょう。

類型P機能M機能典型的な特徴効果
PM高い高い成果と関係維持を両立する生産性・満足度ともに高い
Pm高い低い目標達成を強く押し出す短期成果は出やすい
pM低い高い人間関係や調和を重視する雰囲気はよいが推進力が弱い
pm低い低いどちらの機能も弱い組織機能が低下しやすい

診断は、P行動とM行動それぞれ約10項目に5段階で回答する尺度で行われ、構成員、つまり部下がリーダーを評価する形をとります。
自己申告ではなく周囲評価で測るので、本人の自己イメージがそのまま結果に混ざりにくく、客観性を担保しやすいのが利点です。
実際に診断項目を自分に当てはめてみると、思っていたよりM行動が少ないと気づくことがあります。
会議の進行や締切管理はしていても、相手の安心感をつくる声かけが少なければ、評価はP寄りに傾きます。
こうした自己点検は、見た目のリーダーシップと実際の行動の差を埋めるきっかけになります。

PM理論の使いどころと限界

PM理論は、相手を判定する道具というより、自分の行動傾向を点検するために向いています。
自分はP寄りかM寄りかを自覚し、弱い方を補強する発想にすると、日々の振る舞いを変えやすいからです。
たとえばP寄りなら、指示の前に意図を一言添える。
M寄りなら、調整だけで終わらず期限と基準を明確にする。
そうした小さな修正を重ねると、PM型に近づく実感が得られます。

もっとも、PM理論は人の価値を4つの箱に閉じ込めるためのものではありません。
診断の点数はあくまで行動傾向の目安で、状況や役割で比重が変わる場面もあります。
それでも、この理論が今も使われるのは、成果と関係の両方を見落としにくいからでしょう。
自分のクセを知り、弱い側を少しずつ補う。
その視点を持てるだけで、チーム運営の見え方はかなり変わります。
おすすめです。

SL理論:部下の成熟度に合わせて関わり方を変える

SL理論は、ハーシーとブランチャードが提唱した条件適合論で、部下の発達度に合わせてリーダーの関わり方を変える考え方です。
『唯一絶対のリーダーシップはない』という前提に立ち、相手をどう見るかで打ち手が変わります。
PM理論が自分の持ち味を整える発想だとすれば、SL理論は目の前の相手を見立てる理論だと捉えると理解しやすいでしょう。

部下の発達度D1〜D4という相手側の変数

部下の発達度は、能力と意欲の組み合わせでD1〜D4に分かれます。
新人でまだスキルも自信も低いD1から、能力も意欲も高く自走できるD4までがあり、固定された属性ではありません。
業務経験が積み上がると同じ人でもD2からD3へ移ることがあり、成長を前提に見立てる点がSL理論の核心です。

ここで実務上の注意が出てきます。
見るべきなのは「その人」だけではなく、「その人×その業務」です。
たとえば、普段は頼れる部下でも初めて担当する仕事ではD1寄りになりますし、慣れた仕事ならD4に近づきます。
人を一律に評価せず、場面ごとに発達度を見直す姿勢が欠かせません。

S1教示型からS4委任型までの4スタイル

スタイルはS1教示型、S2説得型、S3参加型、S4委任型の4つです。
D1にはS1教示型が合い、具体的な指示を細かく出して迷いを減らします。
D2ではS2説得型が有効で、何をすべきかを示すだけでなく、背景や目的も説明して納得感を高めます。
D3ではS3参加型が中心になり、援助を厚くしながら指示は最小限にとどめます。
D4ではS4委任型で任せて信頼し、リーダーは細部管理より環境づくりに回ります。

この対応関係は、部下の成熟に合わせて関わりを薄めていくのではなく、必要な支援の種類を切り替える発想です。
実際、新人にいきなり委任型で任せてしまい、何をどこまでやればよいか分からず潰しかけた場面では、最初に必要だったのは信頼の放任ではなく、教示型での寄り添いでした。
逆に、成長した部下にいつまでも指示型で接すると、「信頼されていない」と受け取られやすくなります。

SL理論の使いどころと限界

SL理論は、1on1、部下育成、OJTの設計にそのまま使えます。
相手の発達度を見誤ると、新人を放置してしまう過度な委任や、ベテランに細かく口を出す過干渉が起き、どちらも逆効果になります。
だからこそ、会話の量を増やす場面と、任せて見守る場面を意識して切り替えることが求められます。

ただし、SL理論は万能の処方箋ではありません。
発達度の見立てには観察が要り、最初から一発で当てるのは難しいものです。
それでも、相手の能力と意欲を軸に「今は教えるのか、支えるのか、任せるのか」を考えるだけで、関わり方の精度は大きく変わります。
部下とのすれ違いが続くときは、この4スタイルのどこでずれているかを見直してみてください。

ゴールマンの6つのスタイル:場面で使い分けるEQリーダーシップ

ゴールマンの6つのスタイルは、感情知性(EQ)を土台にしたリーダーシップの見取り図です。
状況を読む力があるからこそ、目指す方向を示すときも、育成に向けて支えるときも、対立をほぐすときも、同じやり方に固執せず切り替えられます。
スタイルに優劣はなく、場面との相性を見極めて使い分けることが、実務ではいちばんの差になります。

EQ(感情知性)が土台になる理由

ゴールマンの6スタイルが前提に置くのは、EQ(感情知性=自他の感情を理解し扱う力)です。
リーダーは成果だけでなく、メンバーの不安、納得感、疲労、期待の高まりまで読まなければなりません。
そこを見誤ると、正しい方針でも伝わり方が荒くなり、逆に現場の動きが鈍ります。
だからこそ、状況に応じて言い方と関わり方を変える柔軟さが核になるのです。

6つのスタイルそれぞれの特徴と効果

ビジョン型は、目指す方向を明示して人を導くスタイルです。
先が見えにくい局面では、細かな指示より「どこへ向かうのか」が共有されるだけで、迷いが減り、判断がそろいやすくなります。
コーチ型は一人ひとりの能力と意欲を長期で育てるやり方で、短期の即戦力よりも、将来の伸びしろを重視するときに力を発揮します。
関係重視型はメンバー間の関係性と調和を優先し、心理的安全性を高める方向です。
関係がこわれたままでは、どれだけ優秀な施策も回りにくいからです。

民主型は、意見を広く聞いて全員参加で決めるので、当事者意識を引き出しやすくなります。
決定の質だけでなく、決まった後に「自分ごと」として動けるかが変わる点が大きいでしょう。
ペースセッター型はリーダー自ら高い基準を体現して引っ張るスタイルで、成果を急ぐ現場では効きます。
もっとも、多用すると部下が疲弊しやすく、基準が高いこと自体が圧力になりやすい。
強制型は強制力で短期に動かすやり方で、危機や緊急時には有効です。
ただし平時に続けると関係が壊れやすく、信頼を削る両刃になります。

ℹ️ Note

成果重視でペースセッター型に偏った現場では、速度は出ても、ついていけない人が静かに離れていくことがあります。そこで関係重視型を意識して対話を増やすと、緊張がゆるみ、ようやくチームとして立て直せるようになります。

場面別の使い分け:緊急時・育成期・変革期

実践で大切なのは、スタイルを固定しないことです。
緊急時は強制型で一気に止血し、長期育成期はコーチ型で伸ばし、変革・方向づけ期はビジョン型で道筋を示す。
対立修復期には関係重視型が前面に出ると、感情のもつれをほどきやすくなります。
民主型は、関係者の納得を広く集めたい場面で役立ちます。

強制型に切り替えたおかげで短期の危機を越えられたのに、そのまま平時まで引きずって反発を招く、という失敗は起こりがちです。
逆に、日常でもペースセッター型だけで押し切ろうとすると、周囲は学ぶ前に消耗します。
どのスタイルが優れているかではなく、いま何を守り、何を伸ばしたいのかを見て選ぶ。
そこにEQを軸にしたゴールマンの6スタイルの実用性があります。
おすすめです。

3理論をどう使い分けるか:自分のチームへの当てはめ方

3理論はどれか1つを選ぶものではなく、見る対象が違うからこそ重ねて使うと力を発揮します。
PM理論で自分の行動傾向を点検し、SL理論で部下ごとの発達度を見立て、6スタイルでその日の局面に合わせて打ち手を選ぶ流れにすると、判断がぶれにくくなるでしょう。
理論ごとの役割を分けておけば、「どれが正解か」で迷う時間を減らせます。
現場では、理想像を追うより、相手と場面に応じて引き出しを切り替えるほうが機能しやすいのです。

3理論は競合でなく補完関係

PM理論、SL理論、6スタイルは、似たテーマを扱っていても注目点が異なります。
PM理論は自分の行動傾向、SL理論は相手の発達度、6スタイルはその場の局面に目を向ける理論です。
だからこそ、同じリーダーシップを別角度から照らす関係にあり、併用しても矛盾しません。
むしろ三つを重ねると、「自分はどう動きやすいか」「相手は何を必要としているか」「いま何を優先すべきか」が立体的に見えてきます。

実際、理論を知識として暗記しただけでは現場で動けません。
自分のチームに一つずつ当てはめてみると、はじめて使いどころが見えます。
筆者も、頭の中で整理しているだけの頃はうまく運用できませんでしたが、自己点検、相手の見立て、局面判断を分けて考えるようになってから、迷いが減り、会話の手応えが変わりました。
理論は競争相手ではなく、視野を広げるための道具です。

状況別・対象別の選び方フローチャート

使い分けの順番はシンプルです。
まずPM理論で、自分がP寄りかM寄りかを点検します。
次にSL理論で、部下ごとの発達度を見立てます。
最後に6スタイルで、今日は強制型が必要な緊急局面なのか、調整が効く場面なのかを選びます。
流れを分けることで、感覚だけに頼らず判断できます。

見る対象採用する理論何を確認するか役割
自分PM理論P寄りかM寄りか自分の癖を知る
部下ごとSL理論発達度がどこにあるか関わり方を変える
その日の局面6スタイル緊急度や場面の圧力今の打ち手を決める

この順で考えると、同じ部下でも対応が変わる理由が説明しやすくなります。
たとえば、本人の力はあっても状況が切迫しているなら、いつもの任せ方では間に合いません。
逆に、慣れてきた部下には細かな指示より裁量を広げたほうが動きやすいでしょう。
ポイントは、「誰に」「何を」「どの場面で」を分けて見ることです。

理論を学んだ後の実践ステップ

学んだ後にやることは、理論を自分のチームに当てはめて試すことです。
理論はレンズであって、現場に重ねて初めて意味を持ちます。
完璧に使いこなそうとするより、小さく試して、観察して、調整しましょう。
その循環が回り始めると、理論は机上の知識ではなくなります。

まずは一週間、会議前にPM理論で自分の偏りを確認してみてください。
次に、部下を一人ずつSL理論で見立て、今は指示が必要か、委任に近づけるべきかを考えます。
そして、その日の案件だけ6スタイルで切り替えてみましょう。
こうした小さな実践を重ねるほど、理論同士のつながりが見え、現場での判断が速くなります。
おすすめです。

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長谷川 理沙

心理学系大学院修了。認知心理学・社会心理学を専門とし、年間100本以上の論文に目を通しながら最新の研究動向を分かりやすく解説します。

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