心理学系大学院修了。大学研究助手として認知心理学・社会心理学の研究に従事。
長谷川 理沙の記事 (12)
スタンフォード監獄実験とは|内容と批判を解説
スタンフォード監獄実験は、1971年8月にスタンフォード大学で心理学者フィリップ・ジンバルドーが主導した社会心理学の実験で、普通の男子学生を看守役と囚人役に分け、地下の模擬監獄で生活させたものです。
ユングとは|集合的無意識と元型をわかりやすく
カール・グスタフ・ユング(1875年-1961年)は、スイスの精神科医であり、フロイトの精神分析とは別系統の分析心理学を創始した人物である。1907年ごろから1912年までフロイトと密接に協働したのち、1912年刊行のリビドーの変容と象徴を契機に理論的に訣別し、
スキナーのオペラント条件づけとは|強化と罰の仕組み
オペラント条件づけは、B.F.スキナーが1930年代に体系化した学習理論で、自発的な行動がその後の報酬や罰によって増えたり減ったりするしくみを指します。1937年にスキナーが造語した「オペラント」は、環境に働きかける行動を意味し、反射を扱う古典的条件づけとは時間の向きが逆です。
同調圧力とは|アッシュの実験でわかる集団に従う心理
同調圧力とは、集団の中で「みんなと同じにせよ」という暗黙の圧力が働く現象であり、同調行動はその圧力を受けて実際に周囲へ合わせた結果として現れます。ソロモン・アッシュが1951年に行った線分課題の実験では、1人ならほぼ間違えないほど単純な判断でも、サクラに囲まれると平均37%が誤答に引きずられ、
ツァイガルニク効果とは|中断が記憶に残る理由
ツァイガルニク効果とは、1927年にブルーマ・ツァイガルニクが示した、完了した作業より中断・未完了の作業のほうが記憶に残りやすい心理現象である。カフェのウェイターが注文を会計前までは覚えていて、支払い後にすっと忘れるという逸話から着想を得たとされるが、核にあるのは1927年の原典実験で確かめられた事実だ。
ウィンザー効果とは|第三者の評価が信頼される理由
ウィンザー効果とは、当事者が自ら発信する情報よりも、利害関係のない第三者を介した情報のほうが信頼されやすい心理傾向を指す。企業の宣伝より購入者のレビューが強く響くのは、情報の内容だけでなく「誰が言ったか」が説得力を左右するからである。
ピークエンドの法則とは|記憶が作られる仕組み
ピークエンドの法則とは、ある体験の記憶が、感情が最も強く動いた瞬間と終わり方のほぼ2点で決まる心理現象である。ダニエル・カーネマンが1993年に示したこの見方は、体験の平均や合計ではなく、記憶する自己がどう要約するかに注目する点で直感に反する。
スリーパー効果とは|時間で信頼が変わる心理
スリーパー効果とは、信頼性の低い情報源から受け取ったメッセージが、提示直後よりも時間が経ってから説得力を増す逆転現象である。通常の説得は直後が最も効き、その後は弱まるのが原則だからこそ、この「後から効いてくる」性質は心理学者たちを長く悩ませてきた。
メラビアンの法則とは|見た目55%の本当の意味
メラビアンの法則は、言語情報7%、聴覚情報38%、視覚情報55%という割合で知られるコミュニケーションの説明で、米UCLAの心理学者アルバート・メラビアンが1967年に行った2つの実験を出発点に、1971年の著書Silent Messagesで広く知られるようになった説です。
カリギュラ効果とは|禁止されると逆にやりたくなる心理
カリギュラ効果とは、禁止や制限を受けるほど、その対象への関心や欲求がかえって高まる心理現象である。名前は1980年公開の映画カリギュラに由来し、過激な内容と上映規制が話題を呼んだという経緯が語源になっている。もっとも、細部には伝聞も混じるため、事実と俗説を分けながら丁寧にたどるのがこの解説の方針です。
返報性の原理とは|お返ししたくなる4つの心理
返報性の原理とは、人から好意や物、譲歩、情報を受け取ると「お返しをしなければ」と感じる心理である。1960年に普遍的な社会規範として整理され、のちに影響力の武器(原著1984年刊)で広く知られるようになった。
損失回避バイアスとは|得より損を嫌う心理
損失回避バイアスは、同じ金額でも「得る喜び」より「失う痛み」を強く感じる心理である。1979年のプロスペクト理論が示した参照点と価値関数を土台に、1992年の推定では損失は利得の約2.25倍重く受け取られる。筆者が年間100本超の論文を読む中でも、理論を知っていてなお自分が引っかかる数少ないバイアスがこれだ。